お知らせ

2019年4月 新版 保育者を目指す 保育内容「健康」を刊行しました。

 中国に「一匹の魚を与えても一日しか食べられない。しかし、魚の釣り方を教
えれば、一生食べることができる。」という諺(ことわざ)があります。これは、
今日の教育にも通ずるものがあるのではないでしょうか。
 家庭用ゲーム機やスマートフォンの普及、少子化、家族構成の変化、公園や空き
地などの遊び場の減少など、子どもたちを取り巻く環境が大きく変わってきまし
た。また、「子どものからだが危ない」「落ち着きがない」「キレやすい」「体は大
きく運動は不器用」などマイナス面ばかりがクローズアップされてきました。しか
し、過去を振り返るばかりではなく時代の流れに適応しながら、現代を生きる子
どもたちがすくすくと育ち、将来の世界・日本を担っていく柱になっていくため
にはどのような「育ちの支援」をしなければならないのかを考えていかなければ
なりません。
 豊富な物資によって子どもたちの遊びも様変わりしている中、その場の楽しさだ
けではなくもっと先を見据えた保育をしていく必要があります。家庭用ゲーム機や
テーマパークなどはその場、その時を楽しむ遊びです。もちろん、「楽しい」「おも
しろい」と感じることは心の発達にはとても大切なことですが、子どもの発育・
発達や健康の分野から考えますと、先のことわざにもあるように「遊び」を与え
るのではなく、子どもたち自らが楽しいと思える遊びを見つけるための「きっかけ」
を与えることこそが大切なことだと考えています。
 この「保育内容(健康)」を通して、いろいろな機能が急速に成長する幼児期
の子どもたちに携わる保育者を目指す皆さんが、心やからだの発育・発達を十
分に理解し、健康の大切さ、からだを動かすことの楽しさを学び、現場に生か
していただけることを願うとともに、保育者に与えられた使命の大きさを再確認
いただけたら幸いです。

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